ツルの一声

2014年12月

◆ご存知ですか、この数字!

 間もなく2014年が終わる。仕事柄、気になるのは「スイミングクラブ業界の活性化」だ。少子化の影響で子ども会員が横ばいか、やや減少のスイミングクラブが圧倒的だという。さらに「指導者募集」を行っても、ほとんど応募の申込みが無い。「給料が低すぎるから」と言う声が現場から聞こえてくる。子供たちに接する一番の産業が、「子供たちの将来の夢」に「スイミングのコーチ」がランクインしない。気がつけば悪い材料がズラリ並ぶ産業と化していたスイミング産業だったのではないだろうか。

 だが、決してスイミング産業が斜陽化へ向かっているとは思えない。スイミング産業は元々子どもへの水泳指導で始まった。だがスイミングが生まれて50年経った今日、成人への泳法指導教室は当たり前になったが、高齢者への健康づくりでどれだけ地域に貢献しているのだろうか? せっかくの「水の4大特性」を高齢者の健康づくりに生かさずに、「地域密着」などと看板を挙げているのは恥ずかしいと思わなくては・・・。

 何度かこのコラムで触れたが、現在、腰痛人口は2800万人、膝痛人口は1800万人と言われている。更に健康に関する気になる要支援・要介護人口596万人、65才以上の年間医療費68万7700円という数字も出てきた。スゴイ数字だ。

 内閣府は、最新の情報として次のような数値を発表している。

  • 我が国の総人口は平成25(2013)年10月1日現在、1億2,730万人。
  • 65才以上の高齢者人口は過去最高の3,190万人(前年3,079万人)。
  • 65才以上を男女別にみると、男性は1,370万人、女性は1,820万人で、性比(女性人口100人に対する男性人口)は75.3。
  • 総人口に占める65才以上人口の割合(高齢化率)は過去最高の25.1%(前年24.1%)。
  • 「65~74才人口」は1,630万人、総人口に占める割合は12.8%。
  • 「75才以上人口」は1,560万人、総人口に占める割合は12.3%。
  • 「15~64才人口」(生産年齢人口)は7,901万人、32年ぶりに8,000万人を下回る。

 いやはや高齢化の影響はすご過ぎる。団塊の世代が65才を過ぎ、遂に高齢化率は25.1%。つまり4人に1人は高齢者という時代になってしまった。それとともに介護を受ける人が増えている。65才以上の年間医療費が約68万円という数字にも驚かされてしまう。

 国民医療費が39兆円で、毎年1兆円ずつ積み重なっていくという。同時に年金受給者も増えていく。社会保障費の増大で、ついに国は「健康寿命を延ばそう」と運動習慣を提唱し始めた。将来は介護対象者にならない、病気にならない意識を持とうと呼びかけているのだ。その為に必要なのは運動習慣だが、或る県ではスポーツクラブの1回の利用を個人負担500円、行政負担1,000円というアイデアが生まれた。月4回6,000円で個人負担は2,000円。運動習慣を身につけて将来の医療費削減、介護保険の適用を受けない人を増やそうというのだ。

 考えてみれば、65才以上の年間医療費約68万円という数字は、本人負担が3割だから年間20万円は自己負担。この負担額を考えると、スポーツクラブの月会費2年分に匹敵する。既にスポーツクラブ通いをしている人達は、将来の健康への投資に成っているわけだ。もしスポーツクラブ通いをしていない人は、「医療費削減と介護保険の適用を受けない」ための投資として「スポーツクラブ通いをして運動習慣を創る」ことを考えなければ、日本の社会保障費はやがてパンクするだろう。そのためにスイミング業界ができること、「腰痛人口は2800万人、膝痛人口は1800万人、要支援・要介護人口596万人、65才以上の年間医療費68万7700円」を上手くアピールすることで潜在会員を掘り起こす事だと思うのだが・・・。